香り大好き 香り365日 香りの好みからその人の過去を知る

香りの好みは、人それぞれです。

ではいったいその好みはどこから生じるかというと。。

 

その人の経験、過去と関わることがあります。

 

簡単に言ってしまうと

よく嗅いでいる匂いは、好き、または落ち着く香り

と感じる場合が多いということです。

 

じゃあ、毎日嗅いでいる排泄物のにおいも好きかというと

そんなことはありません。

それは、ちょっと別の話になるので

ここは一旦置いておきます。

 

ほとんどの人が悪臭と思うものは置いておいて

そうではないものの匂いは、

慣れている香りに安心感を感じ、好む

傾向があるいうことです。

 

1980年代の頃はラベンダーの香りが好きではない人も

少なくありませんでした。

どちらかと言うと私も。。(笑

日本人にとってはあまり馴染みのない香りだったからです。

ですが、近年は、ラベンダーの香りに出会うことも増えましたし、

ラベンダーは良い香りという概念も少しずつ定着しているので

好きだという人も増えてきたように感じます。

 

お線香の香りも

バニラや、ムスク、アンバーなどの

合成香料が使われたものが多くの人に好まれます。

市販の線香には

それらの香りがするものが比較的多い

からではないかと思います。

(反対に、好む人が多いので、各メーカーが

調合に用いるとも言えるのですが。。)

 

天然の香原料だけでつくったお線香の香りを嗅いだ時に

 

何も言わないと

大概の人は、あれっ?って顔になります。

 

天然のお線香ですと聞いて

その香りを嗅いだ時には、

●天然の香りがいいに決まっている

と半ば思い込んでいる人か

●天然の香原料に比較的馴染みがある人

は、やっぱりいいですね〜って言ったりします。

 

でも、前者の方の中には、

何も言わないとあれっ?ってなることも多いようです。

 

天然だけでつくったお線香に馴染みがある人は、

お香づくりに関わっているか、香道をやっている方か、

お寺で天然の香りを使っている方など

比較的少数ではないかと思います。

だから、あれってなるのは不思議なことではありません。

 

誤解がないように言っておきますが

私は天然の香りが好きな人が良くて

合成の香りを好きな人がダメだという風には思っていません。

 

ただ馴染みのある香りは、人をリラックスさせるということ

が言いたいだけです。

 

お香司さんは、香りの調合を教えるうえで、

どんな香りが好きな人にも良い香りが作れるように

アドバイスできないとダメだと思っています。

 

ですので、教えるという点においては、

自分の好きな香りは、脇に置いておいて

その人が一番安心する香りのお香がつくれるように

天然の香原料だけの調合も

そこに合成を合わせた調合も

どちらもできるように、日々研鑽に努めていけたら

いいと思っています。

 

確かに

最終的には天然の香原料だけでつくられたお香が

多くの人にとって馴染みのある香りになってくれたら

それは嬉しいです。

ですが、限られた資源のなか、

なかなかそうも言いづらいところです。

 

話を戻すと、

そういうわけで、香りの好みはその人が

それまでどんな香りに触れてきたかをしめす

その人の過去、歴史を表すような側面があると

思っています。

そして、それが面白いなと思っています。

 

 

 

 

 

 


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