私にとって植物の香りは目に見えない栄養です。

最近また植物の香りに含まれる成分についての

研究発表がいくつか発表されました。

それ自体は嬉しいことではありますが

あまりそれにばかりこだわる風潮には

しつこいけれど

何か言いたくなる天の邪鬼な私です。

 

例えばリナロール

ストレス抑制効果がある

そう聞くとラベンダー精油はストレスにいいんだ!

間違っていないけど

ラベンダー精油はリナロールだけでできているわけでは

ありません。

そしてリナロールだったらローズウッド精油の方が

たくさん含まれているから

ローズウッド精油の方がさらに効果があるんだ!

こんな風に短絡的に思う人がいるのは少し残念です。

同じように

ローズに含まれる

フェニルエタノール、抗うつにいいと紹介されていますが

咲いているお花の香りと精油とは

その製造工程によってそれぞれ含まれる成分が異なります。

フェニルエタノールだけでローズを見てしまうと

このお話は

それを多く含むローズアブソリュートは抗うつに効果があるけれど

あまりそれを含まないローズオットーは?って

話になってしまうわけで

やっぱり植物の香り全体の調和によってもたらされる効果から

完全に離れてしまうのは乱暴な気もしますね。

 

さらに

精油も1つ1つ香りが微妙に異なります。

私たちもみな一人ひとり異なります。

だから一期一会、

その時の香りから自分が何を感じるか

それも大切にしてほしいと思います。

 

もちろん研究自体は大切ですし

それを否定する気はなくむしろ大歓迎なんですが

使用する私たちの意識としては

もう少し広く物事を見たいよねって

思っているだけです。

 

人間は皆似たDNAの構造を持っています。

これは証明された事実です。

でも一人ひとりは完全に同じではありません。

これもとても大切な事実です。

植物の香りも似ているけれど

1つ1つのお花が放つ香りだってみな同じではありません。

 

だから

生きているものがつくり出す香り

それはどんな証明がされようとされまいと

それぞれが美しいし

自然に感謝したいし

それだけで目に見えない栄養になります。

大切に丁寧に使っていきたいと思っています。

 

 


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