ドバイの人々

ドバイの人口の8割は純粋のドバイ人ではなく、他国からの労働者です。アジア各国フィリピンとか、パキスタンとかたくさんの国の人が住んでいます。そのため、ドバイという街はイスラム教を信仰する国でありながら、ホテルでの飲酒など認められています。イスラム教を信仰していても、ほかの宗教には干渉しない。そういう風潮があるのです。これは古くからこの地が貿易などでたくさんの人々が行き交う役割を担っていたからだそうです。自分の信念は大切にするものの、他の人の信念も尊重する、素晴らしいですよね。
70年代に石油が産出されてからずっとそれで栄えてきたこの街は、今そこから脱却しようとしています。様々な開発もそのためです。昔のようにみんなが集まる情報発信の場になろうとしているドバイを私も楽しみに見ています。
それもあって、たくさんの国の人が労働力として今ドバイに住んでいるわけです。もちろん、日本の建設会社も積極的に大型プロジェクトに参加していて、今地下鉄なども作っています。その優れた技術はドバイの人たちにも信頼が厚いようです。ドバイでタクシーに乗るとまずは、日本人か?って聞かれます。そうだと答えると日本は車や電化製品とか良いものをつくる良い国だよなとか、日本人は親切だよなとか、とても友好的に迎えられます。嬉しい反面、過去に作ってきたこの信頼をいつの日か壊してしまわないようにしたいと思い、責任も感じます。
ドバイのタクシーの運転手さんは見た目強面なんですが、しばらくすると自分から、色々な世間話をしてくれます。自分の家族のこと、何故ここで働いているのかということ、日本にいる自分の友人のこと等々。彼らのサラリーは決して高くなく、物価が高いドバイでは大変だそうですが、それでも母国で稼げる4倍も貰えるから、ドバイにいるんだと話す人がたくさんいました。お気楽に旅行している自分たちが恥ずかしくもなるのですが、彼らはそれを特に気にしている様子もありません。人と比べず、今の生活をしっかり続けて、家族を愛し、自分を愛している誇り高い彼らを私は心から尊敬し、日本に帰って一生懸命働こうというエネルギーを貰いました。石油王がリッチな生活をしている一方では、こういう労働者がドバイを支えている、この格差は日本の比ではないと思うのですが、決して腐らず、ただ生きていこうとするエネルギーに満ちあふれていました。もちろん、もっと私たちには見えない厳しい現実もあるのだとは思います。そして、彼らの母国についてあまり私たちに知識がなく、深い話に触れられなかったこともあると思います。この旅を通じて、改めて人とのコミュニケーションで大切なのは、言語の問題より、互いの考え方や生活をよく知り合うことなんだと感じました。
町中にはイスラムの伝統的装いで暮らしている方もたくさんいます。もちろん、女性は顔もあまり見えません。私には遠い世界に感じる風景ではありますが、とても素敵です。この昔からのドバイが冒されることなく、大切に守られながら、これから発展していってもらいたいものです。
ちなみに、アラビア人は昔から旅が好きだそうです。中国やトルコなどたくさんの国を巡ったイブン・ヴァトゥータという人がいたそうです。(アロマで知られるイブン・シーナとは別人です。念のため。)たくさんの商業施設の中には、彼が旅した国々をモチーフにしたものもあります。ここは内装も凝っていて、とても面白いショッピングセンターでしたよ。


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